「敷金2ヶ月・礼金1ヶ月」という古い慣習の呪縛

athomeやSUUMOなど、多くの物件が掲載されているポータルサイトを定期的にみていると、いつまでも成約にならず、掲載され続けている物件があります。それら物件の募集条件を見てみると、共通している事があるのです。

 

こんにちは、自称リーシングマスターのプリンスジュンです。

 

 

時代錯誤の礼金

賃貸物件を借りる時に支払う敷金は、退去時の原状回復の為に預けておく物なので納得がいく名目ですが、礼金はどうでしょう?

 

礼金というのは、昔からある慣習の1つで、部屋を貸してくれる大家さんにお礼の気持ちを込めて渡していたもの。戦後、日本が焼け野原から復興途中に住宅供給数は不足しており、物件を持っている家主に対して、「お部屋を貸して頂きありがとうございます。」というのが礼金の始まりです。

 

物件が余って、お客様が物件を選ぶ現代には礼金の概念は当てはまりませんね。ただ、新築物件や人気の立地の物件に関しては、需要があるので礼金があっても良いと思います。しかし、それ以外の物件に対して礼金を設定するのは時代錯誤なのです。

 

 

 

固定概念から脱却せよ

冒頭で話をした成約にならない物件の共通点というのが、この礼金なのです。古い物件なのに礼金がついたままでは、多くの競合物件の中から選ばれる理由は無いのです。では、この責任は大家にあるのかというと違います。募集を依頼されている時代遅れの不動産会社がいけないのです。

 

時代遅れの不動産会社は「敷金2ヶ月・礼金1ヶ月」の呪縛に縛られているのです。

 

居酒屋に行って、「とりあえず生ビール!」と言ってしまうように、賃貸募集する時に、何も考えず当たり前の様に「敷金2ヶ月・礼金1ヶ月」と設定してしまうのです。古い慣習に縛られているので、大家に対しても現代の市場に合う募集条件の提案が出来ないのです。

 

「敷金2ヶ月・礼金1ヶ月」の呪縛に縛られている会社の特徴としては、駅前に店舗を構えている老舗です。インターネットが普及するまでは駅前という立地で十分な集客が出来ていたのでしょう。自然と殿様商売的な社風となり、礼金が当たり前でその慣習から抜け出せないでいるという現実です。

 

 

 

選ばれる理由を考える

不動産会社はその物件がお客様から選ばれるにはどうしたら良いかを考えて、大家に提案する責任があると思っています。では、初期費用が安ければ良いのかというとそういう事ではありません。入居条件を緩和すると、属性の悪い人が集まってきますので、そうなると秩序の乱れ、クレーム発生、賃料滞納などのリスクに繋がります。成約後の事も考えてバランスの取れた募集条件の設定が大切です。

 

もし、このブログを見ている大家さんの中に、自分の空室物件の募集条件が「敷金2ヶ月・礼金1ヶ月」になっていたとしたら、早急に見直しすることをお勧め致します。