二宮町の温泉について

二宮町は温泉は出るけど、温泉施設はない

こんにちは!プリンスジュンです!

よくお客様から「二宮に温泉や銭湯はありませんか?」と聞かれるのですが、残念ながら「二宮に温泉施設はございません。」でも、かつてはありました。温泉は出るのです。そんな二宮町の温泉についてお話したいと思います。

かつて賑わいを見せた「二宮温泉 セドル健康ランド」

現在の「パレッテ!二宮店」
二宮温泉だった頃(街の温泉めぐり」より)

二宮町中里の「パレッテ!」がある建物は1990年~2005年までの15年間、二宮温泉「セドル健康ランド」でした。地元民の記憶には残っていますが、移住者は知らない人も多いかもしれません。私たち世代にとっての二宮町内の温泉施設は唯一ここだけだったのです。

この二宮温泉セドル健康ランドの始まりは、平成元年に杉崎総業株式会社初代オーナーの杉崎惣一氏がガソリンスタンド設置に際し洗車用給水井戸を掘ったところ、地下136メートルの所から温泉水を汲み上げたのがきっかけ。そして平成2年8月にこの温泉を企業化して「二宮温泉セドル健康ランド」を開設したのです。

ちなみに、「セドル」はフランス語で「杉」を意味します。オーナーの頭文字ですね !(^^)!

当時のパンフレットが残っていました!

館内は広く、浴槽は寝湯を兼ねたジャグジーバス・電気風呂・バイブラバス・打たせ湯などがあり、サウナや水風呂もあったのですよ。

この二宮温泉は、西湘エリアに同等施設が存在しなかったことや温泉・カラオケブームがあいまって大いに繁盛しました。しかし、その後バブルが弾け、周辺に大資本による類似施設の乱立もあって、客足も次第に落ちるようになってきた平成17年に幕を閉じられました。

懐かしいです。何度も行きました。同窓会をここで開催したのも覚えています。

冷鉱泉を購入できた中里の温泉スタンド

二宮町の温泉で記憶に新しい所で言うと、二宮町中里のみらいはらっぱ東大果樹園跡地)の隣接地に「磯一海産」が設けた温泉スタンドがあったのご存知でしょうか?敷地内から湧出する冷鉱泉を18リットル100円で購入できました

しかし、2022年に機械の故障がきっかけで販売中止となってしまったのです。

最近まで二宮の温泉を体験できる唯一の場所だったので残念でなりません。

100年前に温泉旅館があった「川匂の湯場」

100年前に二宮に温泉旅館があったって聞いたことありますか?その名残がある場所が今でも二宮町川勾にあるのです。

二宮町の川勾神社の近くに、「川勾の湯場」と表記された柱が立っている小さな池があるのはご存知でしょうか?パッと見は単なる水たまりのようにも見えますが、れっきとした文化遺産なのです。

ここの立て札にはこう記されている。

ここは、古くから「川匂の湯」として広く知られ、神経痛や皮膚病に効能があるとして、湯治に訪れる人が多く、明治三十七・八年頃の最盛期には、東京・横浜方面からくる人で賑わったという。

当時は、三階建ての湯宿があり、ここから湧出した鉱泉を沸かして用いていた。

大正十二年の関東大震災で打撃を受け、建物は倒壊、地下水脈が変わってしまった。なお、僅かではあるが現在でも湧出している

令和五年二月

二宮町教育委員会

この場所には明治から大正にかけて3階建ての温泉宿があり、沢山の客で賑わったと語り継がれています。湧泉温度は20度に満たなかったが、硫黄分を含んだ鉱泉は程よい湯加減に温められて湯船に溢れ、皮膚病や火傷によく効くと評判を呼んだそうです。

今でも湧き出ているという事で思わず水に触れてみましたが、当然の様に冷水でした。もし関東大震災で地下水脈が変わらなければ、今でも湯宿が残り続いていたかもしれませんね。川勾神社の近くという事もあり、「温泉で身を清めて参拝しよう!」という様なキャッチフレーズで二宮町の観光スポットになったのではないでしょうか。

google mapにも「川勾の湯場」と表記されていますよ。

二宮町内の各地で温泉が出た記録あり

「ここの氏神二宮さまよ、ご利益(りやく)ありゃこそお湯が沸く、相州二宮よいところ。」

これは昭和10年11月3日、二宮町制を寿いで、当時の町の名士で長老だった滝沢吉三郎氏が詠った「旧二宮音頭」の一節です。歌を通して二宮にお湯が沸いていた事がわかりますね。他にも、以下の場所に温泉が出た記録が残っています。

川勾温泉スタンド
二宮町川勾の個人宅(善波邸)敷地内で温泉が湧き、販売していた。

中里の薬師場
中里地区の打越川(葛川)の川畔に明治初め「薬師場」と称する温泉旅館があった。この跡地付近の明星神社前からは間歇的に17、2度の温泉が湧きだしたと昭和8年12月19日付の東京日日新聞が報じている。

白湯温泉開場
詳細は不明だが、大正4年10月7日付の横浜貿易新報が「二宮に白湯温泉開場」なる記事を報じている。

釜野の湯の華
詳細は不明だが、二宮町山西の釜野地区に湯の華が出たという記録がある。

こうして過去に温泉が出た記録は残っていますが、温泉の発見を事業化に繋げて町民の憩いの場「二宮温泉セドル健康ランド」を作られた杉崎惣一氏の手腕は素晴らしいものだなと実感します。

二宮は箱根が近いから、箱根の温泉に行こう!

箱根「天山湯治郷」にて

初めにお伝えした通り、現在二宮町内には温泉入浴施設はありません。でも、二宮は箱根が近いのです。車で20~30分で着いちゃいます。秦野にも良い温泉がありますし、大磯にも素敵なスパ温泉があります。二宮町はお出かけする時の道路のアクセスが良いので、周辺地域の良い所をつまみ食いできる立地なのです。

いつか二宮の温泉を事業化してくれるヒーローの出現を待ちながら、今は周辺地域の色々な温泉を楽しみたいですね。

二宮町から気軽に行けるサウナと、プリンスジュンがお奨めするサウナ 二宮から一番近いChill out