マチモリ不動産から学んだこと(熱海のまちづくりのリアル)

旧三福不動産の「暮らしの教室」で、熱海の「マチモリ不動産」・三好明さんの講義を受けました。

内容を一言でまとめると、

「イベントでは街は変わらない。不動産で街を変える」

という話でした。

① 熱海のV字回復、はじまりは“実験”だった(2010〜2016)

最初は、不動産ではなく「人を呼ぶ仕掛け」からスタート。

・まち歩きツアー
・マルシェ(最大6,000人集客)
・DIYでカフェ開業

ただし結果は、

👉 集客はできても、街に定着しない
👉 ずっと赤字

ここで見えてきたのは、

「イベントだけでは街は変わらない」

という現実。


② 生き残れた理由は“ストック収益”

転機になったのは、不動産の管理。

・ビル管理(特にエレベーター)で安定収益を確保
・これで会社が潰れずに済んだ

つまり、

「街づくりにも、ちゃんと稼げる仕組みが必要」


③ 不動産に軸足を移す(2017〜)

そこから一気に方向転換。

・賃貸
・リノベーション
・管理
・サブリース
・投資家連携

そして今は、

👉 買取再販(仕入れて、直して、売る)
👉 管理収益(ストック)

この2つで回すモデルへ。


④ 今やっていること

マチモリの強みはここでした👇

■ 投資 × リノベ × 管理を一体化

・取得
・改修
・運用
を全部セットでやる

👉 スピードと精度が圧倒的に高い


■ “誰がやるか”でテナントを選ぶ

何屋かより、

👉 「この人が続けられるか」

で判断


■ 上階・空き空間の活用

・2階、3階を使う
・時間貸し(昼と夜で使い分け)

👉 高い賃料でも成立させる工夫


⑤ 今の課題(リアル)

うまくいっている一方で、問題もはっきりしていました。

・賃料が上がりすぎて面白い人が入れない
・コワーキングが採算合わない
・イベントは儲からない
・銀行融資が厳しい

つまり、

「成功すると、逆に街の多様性が失われる」


⑥ これからの戦略

方向性はかなり明確でした。

・銀座通りだけでなくエリアを広げる
・上階や裏側を活用して賃料を分散
・タイムシェアで参入障壁を下げる
・投資家との直接連携を強化

そして面白かったのが、

👉 ルールをつくる側に回る(行政と連携)


⑦ 一番印象に残ったこと

いろいろありましたが、これに尽きます。

「街づくりは“善意”ではなく“事業”でやる」

・イベントだけでは続かない
・収益がないと継続できない
・不動産を握らないと主導権も持てない

二宮は、まだ“始まっていないだけ”かもしれない

熱海の話を聞いていて、どこか他人事には思えませんでした。

むしろ、ずっと頭の中にあったのは
「これ、二宮じゃないか?」という感覚です。


熱海は、もともと人が来る街でした。
観光客は多く、知名度もある。

それでも一時期は、空き店舗が目立ち、
まちはどこか停滞していた。

イベントをやれば人は集まる。
でも、店は増えない。
人も定着しない。

そんな状態が、しばらく続いていたそうです。


二宮も、少し似ています。

海があって、山があって、
都内からも近い。

本当は、すごくバランスのいい町です。

でも、

「どんな暮らしができるのか?」
「ここで何ができるのか?」

それが、まだうまく伝わっていない。


そしてもう一つ、共通しているのが
“不動産が眠っている”ということ。

使われていない空き家。
活かされていない建物。
本来価値があるのに、埋もれている場所。

これは、熱海でも同じでした。


違いがあるとすれば、

熱海は「観光」から立て直し、
二宮は「暮らし」から広げていく町だということ。


だからこそ、やるべきことはシンプルです。

人を集めることではなく、
人が“続けられる場所”をつくること。

イベントではなく、
日常としての不動産を整えること。


誰がやるのか。
どう続いていくのか。

そういう視点で、一つ一つの場所をつくっていく。


熱海の話で印象的だったのは、

「イベントでは街は変わらない」
という言葉でした。

変わるのは、いつも不動産です。


そしてもう一つ。

街は、いきなり完成しません。

小さな実験と、失敗と、積み重ねの先に
気づけば“変わっていた”という状態がある。


二宮は、まだ途中です。

いや、もしかすると
まだ始まってすらいないのかもしれません。


でも、見方を変えれば、

それは「遅れている」のではなく、
“これからつくれる余白がある”ということ。


熱海がそうだったように、

もし不動産の使い方が変われば、
人の流れも、まちの空気も、ゆっくり変わっていく。


二宮は、きっと変わると思います。

ただしそれは、
誰かが大きなことをやるからではなく、

小さな場所が、ひとつずつ
“ちゃんと続いていく”ことで。


そんな気がしています。

リノベーションまちづくりの目的

リノベーションまちづくりというと、
古い建物をきれいにすること、
おしゃれな店が増えること、
そんなイメージを持たれがちです。

でも本質は、そこではありません。


目指しているのは、もっとシンプルで、

・エリアの価値を上げること
・そこで暮らす人の所得を上げること
・中心に人が戻ってくること

この3つです。


建物を直すのは、そのための手段にすぎません。

価値が上がれば、人が集まり、
人が集まれば、仕事が生まれ、
仕事が生まれれば、所得が上がる。


そして結果として、

まちの中心に、もう一度
“暮らし”が戻ってくる。


リノベーションとは、
建物を変えることではなく、

まちの流れを、少しずつ整えていくこと。


派手さはないけれど、
確実に効いてくるやり方です。


この3つを意識して積み重ねていくことが、
気づけば、そのまちの未来をつくっている。

そんな気がしています。