クリエイターは言った、「二宮は町が青く見える」

感受性の高い人が二宮町に降り立った時、私達には感じる事が出来ない世界が見えるようです。

その世界感は、決して失ってはならない二宮町の誇りなのです。

「僕たちの日常はスペシャルだ。」

この日の講座に参加して、二宮町の未来を紐解くヒントを見つけたプリンスジュンです。

空き家と街の編集術

主催者の「一色小学校区地域再生協議会」は「安心して住み続けられる地域再生事業」に取り組むため、地域の方々・神奈川県住宅供給公社・町が中心となり、平成28年5月20日に設立されました。今日まで様々なゲスト講師を招いて定期的に利活用講座を開催しています。過去には私も講師として登壇しております。

この日の講座は「空き家と街の編集術」。最近二宮町に引っ越してきた2人をゲストに二宮町が選ばれる理由を討論した。

クリエイティブに活躍する講師の面々

【原大祐さん】

大磯町の有名人。地域再生プロデューサー。 荒廃農地の再生プロジェクト「僕らの酒」、港・海水浴場の再生として漁協直営の食堂「めしや大磯港」、「大磯市(いち)」、「砂浜ビアガーデン」、空き店舗再生として「OISO1668」、「つきやま Arts&Craft」などのプロデュースを行う。メディアにも注目されている「二宮団地再編プロジェクト」のプロデューサーとしても抜擢されている。中郡を楽しくする超重要人物。

【鈴木 聡さん】

出版社で各エリア誌を手がけ、地方創生やまちづくりに関わるフィールドで編集を行う。現在はクリエイティブカンパニー・東京ピストルの編集長として、ジャンルを問わないクリエイティブを通して「古き良きもの」のアップデートを図っている。「越谷”素”小説」では企画の立案や小説の編集を担当した。昨年、プリンスジュンの仲介で東京から二宮町に移住してこられた。

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【長尾 謙一郎さん】

漫画家、アーティスト、PV監督、アートディレクター。代表作に『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』『PUNK』『クリームソーダシティ』がある。現在は月刊スピリッツにて『三日月のドラゴン』を連載中。昨年、プリンスジュンの仲介で二宮町に移住してこられた。

長尾謙一郎さんオフィシャルホームページ

長尾謙一郎さん関連画像

二人はどうして二宮に移住してきたのか?

原氏:就職先や進学先が東京の集中している理由は、人々が望む進学先、就職先が地方に不足していること。二宮町の若者も次々とこの町を去ってゆく。2040年には消滅の可能性が高い地域に入っている二宮町。ベットタウンとなっている二宮町からいかに脱却するか?どうしたら選ばれる地域になるか?

そもそも二人はどうして二宮町にたどり着いたの?

鈴木氏:僕はもともと茨城の出身で、その後、上京し東京ローカルの仕事を始めて現在の東京ピストル(編集社)で働く様になりました。仕事でお世話になっている人が二宮に住んでいて、ご自宅に招待された時に始めて二宮に降り立ちました。

駅を降りた瞬間に空気感が違くて、綺麗な町だなと思いました。その時に、招待された家にプリンスも招待されていて、二宮町に来ちゃいなよという感じで初めは冗談半分だったのですが、プリンスに紹介された家がメッチャ良い物件で、即決しちゃいました(笑)。

長尾氏:僕は出身は愛知で、学生時代に5年間大阪にいて、その後上京して20年間東京で過ごしました。東京での生活に疲れてきて一旦奥さんの実家がある埼玉に引っ越しましたが、海の近くに住みたいと思い、物件を探しました。

初めは鎌倉や葉山などの物件も見ましたが、イメージが違いました。家賃の高さもそうですが、その地域にムダに価値を付けられるのが嫌でした。そして環境を求めて西へ目を向けていったら二宮町にたどり着きました。

プリンスに物件案内してもらっている途中に「ブーランジェリーヤマシタ」に連れて行ってもらいました。そこで店主に「二宮町はどうですか?」と聞いたら、「二宮町は何もないところですよ、そこが二宮町の良いところです。」とおっしゃっていました。

物の価値に敏感になっていた私はその観光地化されていない(何もない)二宮町の空気の良さと、人柄の良さが決め手になりました。

二宮町は町が青く見える

葛飾北斎・相州梅沢庄

原氏:二宮町に来てからどうですか?

鈴木氏:東京での生活はノイズ(雑音)がありストレスがありました。ノイズがあると無になれない。二宮町は空気が良くて自然があって仕事も集中できます。それに僕は少し体が弱いので、自分の健康を意識する年齢になりました。二宮町は空気が良いので体調も良いんです(笑)。

長尾氏:二宮町は町の色の移り変わりを感じ取れる町です。二宮町って、町の色が青いんですよ。例えて言うなら葛飾北斎のブルーです。

鈴木氏:あ!!それメッチャ分かります!!僕も二宮町に降り立った時、ブルーを感じたんですよね。青くて綺麗なんですよ。なんか、町ってそれぞれ色があるんですよね。例えば、同じ湘南でもグレーを感じる町もあるし、色味が違うんですよね。

長尾氏:はい、そうなんですよ。僕も仕事柄、町の色は敏感に感じます。今、連載中の漫画「三日月のドラゴン」は舞台こそ江ノ島ですが、色味や町並みは僕が生活している二宮町が反映さています。絵になる町なんです。

あと、僕は毎日吾妻山に登っています。吾妻山からの景色は本当に素晴らしいです。いつも思うのが、海の色が2層に分かれていて、エメラルドグリーンなんです。この色は本当に綺麗です。吾妻山から眺めていて思うのですが、この海の色は二宮町だけなのではないかと思います。また僕が思うに、エメラルドグリーンは人類が一番好きな色ではないかと(笑)。

鈴木氏:メッチャ分かる!!

この写真は、私(プリンス)がドローンで撮影した二宮の海。これこそ正にエメラルドグリーンですよね。

二宮町山西の梅沢海岸。美しい。

二宮町はクリエイティブ都市論が当てはまる町!?

原氏:今後、二宮町は都市に依存せず自立していかなければなりません。ではどうしたら良いかを考えた時に、他の都市と差別化を図る自らの強みを活かす必要があります。二宮町は移住者にとても寛容的でウェルカムだと聞いた事があります。

この、「多様性を受け入れる風土」というのが、リチャード・フロリダ(社会学者)によるクリエイティブ都市論にあてはまる町と言えるかもしれません。

ボヘミアン指数が高い町は経済的に発展している

アーティスト、デザイナー、建築家など、芸術に関わる人々の割合を「ボヘミアン指数」と言います。ボヘミアン指数の高い都市圏は経済の活性度が高いと言われています。

芸術に関わる人や、ビジネスのプロフェッショナルは、「寛容度の高い町」に引きつけられます。

こういった人材の誘致に成功した都市が新たな産業を産み、経済的も発展しています。二宮町もこういったボヘミアン指数の高い人を積極的に誘致する事が今後の町の発展のカギになるかもしれません。

原氏:最後に、お二人が今後の二宮町に期待する事はありますか?

鈴木氏:同世代だけでなく、もっと違う世代の人と交じり合う場所があると良いなと思います。あと、本屋があると良いです。例えば本屋やレコード屋などは、予期せぬ出会いがあるのです。クリエイティブな仕事をする我々には、そういった予期せぬ出会いからのアイデアが大事だったりします。

長尾氏:地域振興にクリエーターを巻き込むのも良いと思います。私でよければ二宮町のために協力いたします(笑)。

終わり。

プリンスが思う二宮町再生のカギ「百合が丘とボヘミアン」

百合が丘の空き家

この講座の主催者は「一色小学区地域再生協議会」です。一色小学区の殆どは百合が丘です。この講座で知った「ボヘミアン指数」と「百合が丘の不動産」が結びつくと、町の未来が変わるのでは!?と思いつきましたが、現在の不動産業界には壁があった。

二宮町百合が丘は、100坪以上の広くてゆとりある区間割と小高く見晴らしが良い環境が魅力の場所です。また、素敵な古家が多くありますが、所有者は高齢者が多く、売却依頼をネームバリューの高い大手不動産会社に依頼する傾向にあります。

大手不動産会社は瑕疵担保責任(隠れた雨漏り、シロアリ等の被害)のリスク回避の為に築30年以上の家は建物の情報を伏せて全て「売地」で売り出します。なので、「古民家リノベーション」の選択肢が無くなります。また、建売業者と連携しているかの如く古家は壊されて個性の無い建売住宅が2〜3棟建築され、百合が丘の魅力が損なわれていきます。

百合が丘は駅から離れている場所ですが、見晴らしが良く、緑も多くて抜群に環境が良い場所です。であれば、電車通勤の関係ない人からすれば相場も安くて魅力的な場所のはずです。例えば、写真家、webデザイナー、クリエイター、アートに係る人達などに最適な場所の様に思えます。また、そういったボヘミアン指数の高い人達のアンテナに引っかかりそうな素敵な古家があるのです。

ボヘミアン指数の高い都市圏は経済の活性が高い。百合が丘地区はポテンシャルに満ちています。しかし、先にも述べた通り、ネームバリューの高い大手不動産会社はリスク回避と目先の売り上げの為に百合が丘地区のポテンシャルを伏せています。しかも他の不動産会社のホームページ掲載をNGにしている為、その趣ある建物情報が表に出てきません。

百合が丘地区の価値を上げる為には、大手不動産会社に取引を依頼するのでは無く、地域を愛し、二宮町の未来を考える不動産会社に依頼するべきだ。不動産会社の行動次第で町の価値は変化する。